【腰痛予防】お相撲さんの腰割りトレーニング
腰痛に悩む人で、「股関節が固いなぁ」と感じている人はとても多いのではないでしょうか?個人差はありますが、確かに股関節の筋肉が固まると、骨盤の傾きが悪くなって姿勢が悪くなるので、足腰だけでなく、肩こり・ひざ痛の原因にもなってきます。しかし、腰痛予防に股関節の柔軟性は大切と分かっていながら、実はストレッチが長続きせず、何の対処もできていない方が大変多く見られます。もっと簡単でいつでもできるエクササイズがあればいいのにと、思ってはいませんか?そんなあなたに、今回は、股関節を柔らかくするとても簡単な「腰割りトレーニング」をお教えします。
股関節と腰痛
慢性腰痛になって、腰周りの筋肉の凝りや張りが原因だと思い、腰を伸ばしたり揉んだりしたら余計痛くなったことはありませんか?実はこの場合、痛みの原因となっているのは股関節の前側の筋肉の凝りや張りであり、結果として腰周りが固まって腰痛になっている可能性があります。
筋肉は凝ってくると縮んで伸びなくなります。ですから、筋肉は骨と骨をつないでいるので、凝ってきた筋肉は関節を引っ張りゆがめます。
これを股関節に当てはめると、股関節の前側の筋肉が凝り固まってくると、骨盤を引っ張るので倒れやすくなり、股関節が曲がったまま伸びなくなります。この状態が、猫背や反り腰になります。こうして股関節の前側の筋肉の凝りが骨盤を引っ張り、姿勢が悪くなってくると、バランスをとるために背中側の筋肉もお腹側の筋肉に対抗して力を入れないと姿勢を維持できなくなります。この状態が続くと、背中側の筋肉にも凝りや張りが出てきて、それが腰痛として認識されるのです。
ですから、腰が痛いからと腰の筋肉だけを弛めてしまうと、かえって骨盤を引っ張る股関節の前側の筋肉の力が強くなるので、余計に体が歪んで腰痛がひどくなってしまうのです。
固まりやすい現代人の股関節
それではなぜ、股関節の筋肉は固まってしまうのでしょうか?それは股関節の役割と現代人の生活の傾向が密接に関わっています。
股関節の骨の構造は、骨盤の凹みに大腿骨の丸い先端がソケットにはまるようになっています。このような形態になることで、とても大きな可動域を確保できます。そして股関節の前側の筋肉には腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)や大腿四頭筋など、歩くときなどに足を上げる役割があります。それとは反対に、股関節の後ろの大殿筋やハムストリング筋群(半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋)の筋肉は、歩いたり走ったりした時に地面を後ろに蹴り出すのに使われます。これらの筋肉が働くので、私たちはソケット上の股関節の特性を活かして、大きく可動させることができるのです。
これらの股関節に付く長くて強い筋肉を維持するには、適度な運動が必要です。それに対して、乗り物などが発達して交通の利便性が増したので、私たち現代人は走ることはおろか、歩くことも少なくなりました。運動不足になると筋肉は衰えます。衰えた筋肉は細く固くなります。それなので、こうした筋肉の衰えが股関節が固まる原因となるのです。
一方で、お尻の筋肉である殿筋群には、姿勢を維持する働きがあります。PCや乗り物移動など、私たちは昔の人に比べて長時間座ることが多くなりました。長時間同じ姿勢でいることは、お尻の筋肉を酷使することになります。また、長時間座った姿勢でいると、股関節の前側の腸腰筋などがずっと縮こまってきます。こうしたことを繰り返していけば、腸腰筋に固く縮む癖が付いてきます。このようなわけで、長時間の座った姿勢の維持も、股関節が固くなる原因の一つとなります。
腰割りトレーニングで股関節を柔らかくして腰痛予防
このように可動域が大きい股関節は、エクササイズなどでいっぺんに動かそうとしても、なかなか全てを動かすことができません。例えば、股関節の前側を伸ばそうとすると、後ろ側が縮めなければいけないからです。それなので、股関節をしっかりとケアしようとすると、いくつかのエクササイズを合わせ技で行わなければなりません。
このような説明をすると、「面倒臭い」「時間がない」とか「覚えられない」といった声が聞こえてきそうです。そのような方にオススメなのが、お相撲さんもやっている「腰割りトレーニング」です。腰割りトレーニングは、よく股割りトレーニングと誤解されることがあるのですが、全く別物です。股割りはお相撲さんのハードな稽古の一環としてテレビでもよく流れる、お尻をついて開脚をする柔軟体操です。腰割りトレーニングはそれではなくて、腰割りはお相撲さんが四股を踏む前の基本姿勢になります。すなわち、足を大きく開いて立った姿勢から、背すじを伸ばしたまま腰を下ろしていく運動です。
この腰割りトレーニングなら、1つのエクササイズで股関節の前後の筋肉を刺激できるので、横着な人や多忙な人にはオススメです。
腰割りトレーニング①
最初に肩幅より大きく足を広げて立ちます。ポイントはつま先とひざを真横に向けることです。股関節は前にも後ろにも筋肉が付いているので、足をこの中間点に向けなければ、前後どちらかに偏った運動になってしまいます。逆を言えば、足を中間点で開くことで股関節の前後の筋肉両方に刺激を与えることができます。
固くてつま先やひざが真横に向かない人は、向けられるところまでで大丈夫です。毎日繰り返し腰割りトレーニングを行っていけば、足が開くようになります。
腰割りトレーニング②
基本姿勢がとれたら、そのままひざを曲げて腰を落としていきます。この時に前のめりになったり、お尻を突き出さないように注意して下さい。しっかりと腰が下まで落ちなくてもいいので、ひざとつま先の中間位を維持しつつ、背中を伸ばした状態を保つことに集中して下さい。股関節が固くてバランスが取れない人は、慣れるまでは壁やイスなどにつかまりながら行いましょう。
腰が下せるところまで下ろせたら、元の基本姿勢に戻ります。これを1回として、1日10回から始めましょう。慣れてきたら回数を増やしていっても大丈夫です。
腰割りトレーニングの応用「肩入れ」
余裕がある人は更に「肩入れ」というストレッチを入れると、効果的に股関節の筋肉を緩めることができます。やり方は、腰割りの腰を落とした姿勢をとり、ひざに手を付いて体を捻じってひざを押し出します。こうすると内ももの筋肉(内転筋)を伸ばすストレッチになります。内ももの筋肉も運動不足や長時間の座り姿勢で固まってきやすい部分なので、思い当たる方は念入りに伸ばして下さい。
30秒を1回として、朝・昼・晩の3回行うようにして下さい。ストレッチは一度に長い時間を行うよりは、小分けにして行う方が効果的です。忙しくて時間が取れない時でも、1日1回は行うようにしましょう。
まとめ~【腰痛予防】お相撲さんの腰割りトレーニング
交通の利便性が向上したことで、私たちは股関節の筋肉が固まりやすくなりました。この股関節の筋肉の固さは、知らないうちに日々腰やひざに負担を蓄積し、放っておくと腰痛やひざ痛の原因になります。このような状態を避けるためには、普段から股関節を柔らかくするエクササイズを行うことが大切です。
股関節を柔らかくするエクササイズを考えた時に、腰割りトレーニングは大変優れています。股関節の前後に付いているたくさんの筋肉をいっぺんに刺激できるからです。腰割りトレーニングを行ううえで大切なのは、ひざとつま先を真横に向けることです。これが前後どちらかに偏ってしまうと、股関節周りの筋肉をまんべんなく動かすことができないからです。
この点に注意して、1日10回から始めてみましょう。
当院では、クライアント様がご自分で体の状態やクセを把握し、セルフケアで腰痛・ひざ痛のリスクを下げられる部分はご自分で調整できるように、運動が苦手な人でもできる簡単なエクササイズの指導をしております。なぜなら、固まった筋肉を緩めるのには、一時の入念なマッサージやストレッチよりも、毎日のセルフケアが大切だからです。ぜひ繰り返すひざ痛や腰痛に悩み、セルフケアのコツを知りたい方は、流カイロプラクティック院へご相談下さい。
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参考~
・『お相撲さんの“腰割り”トレーニングに隠されたすごい秘密』元 一ノ矢(じっぴコンパクト新書)
【ひざ痛・腰痛専門整体】
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